GOOD MORNINIG!
HAPPENING 6
「こーゆーのって・・・・・・アリ・・・?」
高耶は疲れていた。そりゃもう、メチャメチャ・・・・・・・・・・・・
今、二人がいんのは、例の直江の新居だ。
あれから疲れ切った身体と頭を引きずって、よーやくココまで帰ってきたのだ。
「・・・・・・なん何なんだよ・・・・・・・・」
高耶のボヤきは、続く、直江もそれは仕様が無い事だって思うんで、合鎚を打ちながら黙って聞いてる。
高耶アンド直江ママの言う事は、こーゆーコトだった。
今まで400年もの長〜い間、両家の交流は全く無いと思ってたのは、実は全然間違いで、もう、随分前から水面下ではコソコソ、仲良くやってたっつーのだっ!
それは皆女同士の事で、男達はそんなモン、寝耳に水、ってヤツだ。
「当ったり前じゃないな馬鹿馬鹿しい事、付き合ってらんないわよ」
高耶ママ、キッパリ
高耶のママの前、その前、またその前も・・・・・・・・・もう延々それは続いてたりする。
一応、長く言い伝わってた事なんで、代々の当主や息子達は、それを知らずに生きて、そんでもって死んでいった。
「まあ、お父さん達の面子とかあるし、面倒は御免だったからよ」
これは、直江ママ。
そーゆー妻や娘達に騙され続けて早200年以上、高耶と直江はもう、アホくさくって言葉もナイ。
自分達のあの苦悩(?)は一体・・・・・・・・・
「だからね、高耶と信綱さんの事分かった時、これは良いチャンスだって思ったの」
そう、女達はよくても、やっぱし男達の交流はずっと無かった訳で、
「・・・・・・じゃあ、美弥は・・・・・・・?」
妹の美弥、彼女は知ってたのか?
「決まってるじゃない」
「・・・・・・・・・・・・」
考えてみれば、あの頭の良い、そして、兄に比べて限りなく賢い妹が、こんな馬鹿馬鹿しいコト黙って聞いてるはずナイ。
「・・・・・・・・何で、何で今まで教えてくんなかったんだよっ!!!」
酷い、と高耶は母親に食って掛かった。
全くもって、尤もだ。
「だって、言う前に仲良しになってたし、それに言ったじゃない、その方が燃える、って」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
直江パパは最近その衝撃の事実を知り、甚くショックを受けたが、それは年の功、結構すんなり受け入れた。
そこで、問題は高耶パパってコトになる。
「それで丁度いいから高耶達こ事バラしちゃえって」
「・・・・・・・・・・・」
ホラ、荒療治、って言うじゃない、ってニコニコ笑う母に、高耶はもう、何も言う事は無かった。
「・・・・・・クッソ〜〜」
余程悔しいのか、高耶はまだブーブー言ってる。
「まあまあ、もうイイじゃないですか、俺達も公認になったんだし、嬉しいですよ」
高耶は勢いのまま、再びここに来てしまった。
明日学校だってのに、直江んチに来ちゃうって事は、明日学校サボるよ〜、ってコトで、
母親も何にも言わなかった所を見ると、少しは悪いって思ってるらしい。
「それは、オレだって嬉しいけどさ〜」
何だかな〜、ってどーにも納得いかない恋人を、直江は実力行使!ってコトで、チョビット強引に抱き寄せた。
「うわっ?!!」
「もう、身体大丈夫?」
「・・・・・・っ」
いきなし、こう来たかっ!!だ。
「明日学校休むんですよね?」
「・・・・・・・・うん・・・・まあ・・・」
もしかして、直江、誘ってるワケ?
高耶はビックリするやら、嬉しいやら、恥ずかししやらで、上手く言葉が出てこない。
腹括ってガンガン押した勢いは、一体何処へ?って感じだ。
それでも、昼間と違って余裕コイテる直江が、何だか悔しくって思ってもナイ事を言ってみた。
「・・・・・・さっきシたばっかじゃん・・・」
「オレはいつでも高耶さんとシたいですよ、あなたは違うの?」
「・・・・・違うっつーか・・・・・まあ・・・・・」
そんな戸惑ってる高耶の身体に、直江は手を滑らせる。
「あっ・・」
Tシャツの裾から忍び込んだ指が、優しく、でも強引に、煽っていく。
「・・・・っ、ちょ、ちょっと・・・っ!!」
顔には出さなかったけど、今回の事は直江だってかなりキてるのだ。
ず〜っと我慢我慢っ!!で通してきたこの思い、まあ、それは高耶の一緒なんだけど、オトナなだけに行き詰まる度も結構あるワケで・・・・・・
「もう、待てませんよ、オレずっと前からはあなたのものだけど、あなたもオレももの、って思っていいんですよね?」
その言葉にビックリした高耶は、形だけの抵抗を止めて、自分を強引に抱き締める恋人の顔を覗き込んだ。
口は笑ってんのに、目が・・・・・・・
”コワい・・・・・・・”
そこには、男の長年の思いが込められてるみたいで、それが嬉くて切なくて、高耶の瞳にみるみる涙が盛り上がってきてしまった。
「たっ?高耶さんっ?!!!」
焦ったのは、直江だ。
だって、腕の中に抱き締めてる恋人が、いきなしボロボロ涙を流し始めたんだから。
「どーしたんですか?オレ、痛いコトしましたか?お腹空いたの?」
言ってるコト、メチャメチャ・・・・・
「・・・バーカ、違っげーよ、お前分かってないな、オレなんか、お前と会った5歳ん時からお前のモンだぜ」
「!」
涙に濡れた、綺麗な瞳。
直江は溜まんなくなって、力いっぱい抱き締める。
「・・・・苦しいって・・・・・・」
そんな文句を言いつつも、その顔はヒジョーに幸せに溢れていた。
***
「へー、そんなコトあったんだ」
「そーそー、もう、メチャメチャ大変だったんだぜ!」
その、次の次の日、学校に行った高耶は、譲に真っ先に事後報告。
「・・・ふ〜ん・・・・・・・」
文句言ってるワリには、高耶の表情は”幸せの絶頂っ!!”ってカンジで、しかもお肌のツヤなんかもう、スベスベだ。
”・・・・・ヤったな・・・・・・”
案の定、譲にはバレバレだ。
昨日、学校サボった高耶に合わせて、直江も会社を休んでくれた。
そんで、一日中ベタベタ、イチャイチャ、そりゃもう!傍で見たら廃人になっちゃいそーな位・・・・・
ここ暫くは、高耶のラブラブ報告が続くだろう、イヤ、永遠、かもしんない。
自分の予想が外れる事が無いのを確信した譲は、心の中で盛大にため息を付いた。
でも、
”ま、いいか”
チョット(?)アホな所があるけど、純粋で可愛い親友が長年の思いが通じて幸せになったのだ、譲だって嬉しくないワケが無い。
”それに、妊娠する訳じゃナイし・・・・”
譲としては、あんなオッサン何処が良いのか全く分かんないし、分かりたくもないけど、人の趣味は本人の自由、それが民主主義。
それにこーやって幸せそーに笑ってる高耶が、目の前にいる。
それで、イイコトにしよう。
そー決めた譲は、これから続く、高耶とオッサンのラブなストーリーを拝聴する為に親友の方に向き直ったのだった。
「直江、オハヨ!」
「おはよう、高耶さん」
直江が引っ越しちゃったんで、今度は二人は毎朝駅で待ち合わせ。
直江の声が、嬉しい、笑顔が嬉しい、存在が、嬉しい。
それを毎朝、自分だけのモノって、かみ締められる。
こんな幸せって、他にある?
そして、今日も、GOOD MORNING!
終わり良ければ、全て良し?
end
2000.10.29
ベタ過ぎ・・・・・・でも、これで終わりなのだ!
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