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             A long time ago in a garaxy far far away・・・・・・・

                        昔々 遥か彼方の銀河系で・・・・・・・・・



































                           

                          EPISODE U





段々近付いて大きくなってくるダゴバに、直江は内心の不安隠し切れなかった。
ジェダイのマスターだと言う高耶は、どんな人間なんだろう。
それより自分は、フォースを身に付ける事が出来るんだろうか?
そう思うと、嫌な考えばかりが浮かんでくる。
そんな不安を抱えたまま、救命艇はダゴバの密林に吸い込まれて行った。

密林の中にある、艇が着陸出来そうな陸地を見つけた直江は、静かに艇を着け着陸させた、が・・・・・・・
「−−−−っ?!!」
艇がズブズブと沈んでいく。
陸だと思った所は、実は沼だったのだ。
「こ、これはっーーー」
ヤバイ、と思った瞬間、直江は脱出する準備を始める。
準備といっても、ベンから受け取ったライトセーバー、少しの工具、それと非常食、それだけ持ち出すのがやっとだった。
やっとも思いで脱出した直江は、沼に沈んでいく艇を絶望の気持ちで見詰めていた。
これでマスター高耶に会えなければ、自分はどうやってこの星から脱出すればいいのだろう。
「それにしても・・・・・・・」
直江はグルリと辺りを見回した。
木々深い密林に覆われており、殆どが湿地帯だ。本当にこんな所に住んでいるのか?とても、人の住める星とは思えない。
しかも、ベンが言うには、彼は400年生きているという。
「とにかく、今夜休む場所を探さなければ」
直江は取り敢えず、艇が沈んだ沼の近くに落ち着ける場所を見付け、疲れた身体を横たえた。
疲れ切った直江は、泥の様に眠った・・・・・・・・

「・・・・・・?・・・」
夢を見る事が無い程深い眠りに引き込まれていた直江は、耳元で物音がするのに急速に意識が浮上する。
意識は起きているのに、身体が起きようとしてくれない。
「・・・・・・・だ・・・こ、れ・・・」
「・・・・・・・?・・・・何だ・・・?」
段々と身体が意識に追いつき、耳元も物音に敏感に反応した。
直江はゆっくり身体を起こし、目を覚まさせた物体を視界に入れた。
「−−−っ?!誰ですかっ?!あなたはっ!!」
突然直江の前に現れた”物体”は、直江の驚きなど目にも入っていないらしい。
夢中で彼の非常食を食べている。
全く自分を無視している乱入者の意識を向けるには、この方法しか無いと、判断する。
即ち・・・・・・
「あっ!何すんだ、返せよっ!オレのお菓子っ!!」
・・・・・・食べ物を、取り上げた・・・・・・
”自分”のお菓子を取り上げられた乱入者は、持っていた杖で直江の頭を叩き出した。
「ちょ、ちょっとっ!!痛いです、叩かないでっ!!」
「返せよっ、オレのお菓子っ!!」
細い杖でも、こう叩かれては痛くて堪らない。
直江は取り敢えず取り上げた食べ物を、再び渡す。
途端に杖の攻撃がピタリ、と止み、機嫌良く食べ始めた。
一心不乱に食べている姿を見ながら、直江は色々頭の中で考えていた。
(この星に住んでいるのだろうか・・・・)
との突然の乱入者は、どう見ても直江と同じ地球系の生物だ。
年の頃は15,6だろうか、しかしこんな子供が何故こんな所にいるのだろう。
(まぁ、そんな事は食べ終わったら聞けば・・・・・)
この少年がダゴバの住人なら、マスター高耶の事も知っている可能性が高い。
そう思うと、少し気持ちが軽くなった。
気持ちが良い程の食べっぷりも、やっと収まってきたようだ。
少年が落ち着いたのを見計らって、直江は話し掛けてみる。
「美味しかったですか?」
一息着いた所で、やっと直江の存在に意識を向けてくれた。
「まぁまぁだな、もっと無いのか?」
あれだけ食べ尽くして、まだ欲しがる少年に、直江はもう苦笑するしかない。
「ええ、あれで終わりです。あなたは私の分も食べてしまいましたよ」
最後の言葉に少し皮肉を混ぜたのだが、彼は全く気付いていないのか気にして無いのか、酷く残念がった。
「・・・・そっか・・・アレ、美味かったのに・・・・」

少年が落ち着いたと判断した直江は、自分の訊きたかった事を尋ねてみる。
「あなたはここに住んでいるんですか?」
「うん」
「そうですか、私はマスター高耶に会いに来たんですが、彼が何処にいるのか知っていますか?」
直江の言葉に、少年は胡散臭気に見上げてくる。
「高耶に何の用だよ」
いきなり警戒心を露にする少年を見て、直江は内心喜んだ。
警戒すると言う事は、それだけ親しいという事だ。
思ったより早く会えるかもしれない。
「私はベン・ケノビ、いや、オビ・ワン・ケノビに言われてマスター高耶に会いに来たんです」
「オビ・ワンに?」
直江の言葉に少年は驚いた貌をしたが、驚いたのは直江も一緒だ。
まさかこの少年がベンを知っているとは思わなかったからだ。
しかし、直ぐに思い直す。
マスター高耶に聞いたのかもしれない。
「知っているなら、彼の所に連れて行って欲しいんです」
「・・・・・・・いいぜ、オレが高耶に会わせてやる」
少し考えていた様だが、案外あっさり承諾してくれた。あの非常食が効いたのかもしれない、と直江は思った。
直江がそんな事を考えているとは思ってもみない少年は、今すぐ案内してくれると言う。
「ここから少しあるけど、お前平気か?」
自分より年下で、しかも体格もかなり劣る相手に心配され、直江は笑ってしまったが、やはり慣れていないとキツいのかもしれない。
何しろ直江にとっては、未開の土地なのだ。
「ええ、まぁ何とか。歩き易い路で行ってもらえると助かるのですが」
「歩き易い?そんなの何処も一緒だろ?」
「・・・・・・・・」
本気で言っている少年に、直江はやはりここに住んでいるんでだな、と再確認してしまった。

道なき道を、さっさと進んで行く相手の姿を、直江はやっとも思いで付いて行った。
実際この星は酷かった。
全てが湿地帯の密林で、砂漠で暮らしていた直江にとっては、全てが見た事も経験した事も無いものばかりの土地だ。
泥濘みに足を取られ、何度も躓きながら、懸命に相手の背に従う。
既に息は切れ、目の前が白くなり始めた頃、少年は初めて直江を振り返った。
「もうすぐだ、そこ、少し入った所だから」
そこ、と言われても全てが同じに見える直江は、何処のそこなのか、全く分からない。
しかしもうすぐ、と言われて、心底ホッした。
歩いていたのは1時間程度なのだろうが、直江にとっては永遠に思えていたから。
少年の言葉に多少の元気を取り戻し、これ以上離されない様足を速めた。

「・・・・・・ここ、ですか・・・・・?」
ようやくの思いで辿り着いた場所は、人家と呼べる物の中でも、最低ラインの建物だった。
天井も少年にとっては丁度良いかもしれないが、直江にとってはかなり窮屈な高さだ。
「うん、そこ座れよ」
「・・・・・・・・・」
家の中は外観から想像するより遥かに綺麗に片ずいていた。
それでも、何となく寛げない。
「何突っ立ってんだ?お茶くらい煎れてやるからさ」
この少年がもてなしてくれるとは思わなかったが、今は一刻も早くマスター高耶に会いたかった。
「お茶は嬉しいんですけど、その前にマスター高耶に会わせて欲しいんですが・・・・ええと・・・・・」
直江はその時になって初めて、彼の名前を聞いていない事に気付いた。
しかし、あなたの名前は?と口に出そうとした言葉は、少年に遮られる。
「だから会わしただろ」
涼しい貌でそう言う少年に、直江はからかわれたと思い、少し語調が強くなる。
「案内してくれた事は感謝しますが、私は急いでいるんです、あなたと遊んでいる時間は無いんですよ」
疲れている為か、かなりキツい言葉を吐いてしまった。
少年はそこ言葉にムッとして、唇を尖らせる。
そんな貌をすると、かなり幼く見える。
その表情に、何故か苛立ちが収まり、直江はもう一度言葉を柔らかくして言った。
「マスター高耶は何時頃戻って来るんですか?私はなるべく早く彼に会いたいんです」
しかし、直江の言葉はさらに少年を苛立たせた様だった。
「だからっ!会わせたって言ってるだろっ!!」
「・・・・・・・・・・・え・・・・・・・?」
でも、直江はこ星に着いてから、目の前の少年にしか会っていない。

・・・・・・・と、言う事、は・・・・・・

いや、まさか。
ベンは言っていたではないか、マスター高耶はジェダイの騎士のマスターで、最強のフォースを持った最強の戦士で・・・・・・
混乱を抱えたまま、この一つの結論を出す事は、直江の理性が、待った、をかける。
「・・・・・・・あ・・・・・あな、た・・・・まさ、か・・・・・・あなた・・・・・・・」
最後の台詞は、少年が奪った。
「そ、オレがマスター高耶様だっ!」
「O▲@×▽〜〜〜×◎△〜〜〜っ!!!」
直江は今度こそ本当に、間の前が白くなっていくのを感じた・・・・・・・・・・










                                                       to be・・・・
                                                       2000.11.3

  

                    ヨーダが高耶・・・・・高耶がヨーダ・・・・・
  この話は、実はシリアスで甘々なんです〜!まぁ所々コメディ入るけど、綾子アンド千秋んトコとか・・・・